もし売却しようとする家が借地だったら

もし売却しようとしている家が借地だった場合

最近、相談を受けた事例です。

相続でもらった家を売却しようとしたら土地が借地だったそうです。では、家は売れるのか?

いきなり、稲妻のようにやってきた電話だったので返事のしようがありませんでした。この相談者の方には、まず何点かについて調べてもらってから後日お会いすることにしました。

宇都宮市内でもエリアによっては借りている土地(借地)に住んでいる方が多いです。皆さんはどうでしょうか?

借りている土地⇔借地⇔借地権て何?

土地を借りる場合に主に2つの法律に従って土地を借ります。1つは民法上の土地賃借権です。もう1つは借地借家法に定める借地権です。

ここで簡単ではありますが、申し上げると借地権であれば、借地借家法という強い法律に借り手方が保護されます。会社や工場で働いている労働者が労働基準法という強い法律に保護されるのに似ています。

土地を借りる目的により借地権かどうかが区別されます。

例えば、駐車場や駐輪場として借りる場合は民法上の土地賃借権にあたります。建物所有を目的とする場合に借地権になります。

借地権であった場合には借地借家法が適用されます。

契約期間が満了しても、貸主に正当事由がなければ法定更新されます。*法定更新・・・貸主が借地契約の更新を拒否しても法律の規定により借地契約が更新されてしまうこと

このため、貸主が借地人に対し、正当事由もなく貸地からの立退きを求める際には立退料が必要になってきます。

借地権には地上権と土地賃借権の2種類があります。

ここで【地上権と土地賃借権の主な特徴】を併記しておきます。該当する方でここまで読んで頭が痛くなってしまった人は読まなくても大丈夫です。その節は対処します。私も頭が痛くなってきました。

地上権の特徴

  1. 地上権には登記請求権があり、貸主に登記を請求できる
  2. 地上権の譲渡は貸主の承諾なしで自由にできる
  3. 登記された地上権そのものに抵当権を設定できる
  4. 地上権が設定された土地は物納ができない
  5. 地上権の消滅請求は連続して2年間の地代不払いが要件である

土地賃借権の特徴

  1. 土地賃借権には登記請求権がなく、貸主の承諾が必要である
  2. 賃借権の譲渡は貸主の承諾が必要である
  3. 賃借権そのものには抵当権の設定は認められていない
  4. 土地賃貸借を設定した土地も物納が可能である
  5. 土地賃貸借契約の解除は相当期間の賃料の不払いがあれば可能である

地上権と賃借権との主な相違点(上記を表にして比較してみます。)

地上権 土地賃借権
@登記請求権の可否 請求が可能 地主の承諾が必要
A譲渡承諾の可否 自由に譲渡できる
地主の承諾は不要
地主の承諾が必要
B抵当権設定の可否 設定が可能 設定できない
C地主から見た底地物納の可否 できない 可能
D地代不払いの解除 2年間連続した地代
不払いで解除可能
相当期間の不払いで
解除が可能

一般的な借地の場合は土地賃借権である場合が多いです。借りて方が売却や新築する場合には地主さんとの交渉事になります。金銭的にも、ケースごとに地主さんに金銭的に支払う場合が多いです。(相場がありますが)

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